今まで多くの事業を自分で作りそれぞれ小さいもので年間数百万円、大きいもので5億円程度売上を上げるに至りました。またその経験を買われ多くの大手企業に対して新規事業創出のアドバイスも依頼されよく講演やアドバイザリー業務を行っています。
今回は私が自分自身でどのように新規事業を発想しているのかを具体的に解説します。それなりに勉強は必要ですが、これで思いつけないならば真面目にやっていないだけです。事業を思いつくのに天才である必要は全くありません。勉強するだけです。
それではその方法を解説します!
儲かっているビジネスを知る
実は新規事業・起業のアイデアを思いつくために必要なのはこれだけです。頭の善し悪しでは断じてありません。
よく投資家・ベンチャーキャピタルがビジネスを語っていますが、彼らが強いのは儲かっているビジネスの中身を知っているからです。
逆に素人が起業のアイデアを思いつかなかったり筋が悪い話しか出来ないのは何がどれくらい、どうやって儲かっているのか知らないだけです。
情報が決定的に重要なのです。そこでスモールビジネスを志す人が知っておくべき情報入手ルートを記載します。
四季報
上場企業は自社の情報を丸裸にしています。どこでいくら儲けていて、今後どうするか。ただ上場企業は日本だけで約3,600社。全てをWEBサイトで確認するのは大変です。そこで登場するのが四季報。ざっと眺めるには便利なツールです。
投資家向け資料(IR資料)
これは一番貴重な資料と言ってよいでしょう。成長企業の秘密が丸裸とは言わないまでも多く公開されております。
*IRとはInvestor Relationで投資家向けの活動を指します
上場企業は投資家向けにビジネスモデルをクリアに説明し、何故成長するのかを語る必要があります。
例えば最近上場した「識学」という研修会社の投資家向け資料を見てみましょう。
サービス内容と単価が公開されています。
このようにビジネスの情報がかなり公開されています。投資関係者の中にはIRの読み込みを趣味にしている人も多く、私もその一人です。また「官報」という決算発表を非上場でも開示する必要のある企業もあります。
そういった企業は「会社名 官報」と調べてみましょう。利益の規模くらいはわかりますよ。
自分が興味のある分野のIR情報を徹底的に読み込みましょう。
ベンチャー向け媒体
起業関連のニュースが掲載されている媒体があります。
日本の代表格はテッククランチとThe Bridge(ブリッジ)。
ここで注目すべきニュースは資金調達・上場・新製品リリースでしょう。
ただし全て真に受けてはいけません。特に資金調達はある程度の成長が出来ていることの証明と言えますがそのビジネスが儲かるか否かは証明されていない場合も多いです。
少なくとも挑戦する価値があると認められた、という程度の認識にするとよいでしょう。またスモールビジネスに取り組む人にとって宇宙ビジネスや交通インフラを変えるなどのニュースは雑音です。
スモールビジネスに適していません。
私が推奨するのは安定・着実に金持ちになるビジネス。宇宙ビジネスは10年間苦労して成功する確率1%のようなビジネスです。あまりに苦労が多すぎます。
そういったビジネスの情報は不要なものとしてスクリーニングしましょう。
直接話しを聞く
IR情報と並んで超重要チャネルです。
上場したということはそのビジネスモデルは参入の旬は過ぎています。ビジネスが儲かり始めてその情報が出てくるのは人づてです。如何に儲かっている人を周囲に置いているか、これは重要です。だからこそスモールビジネスオーナーは集うべきなのです。
またもし営業ならば様々な人との商談が発生するでしょう。その中で「これが最近伸びているらしい」というような噂も多く聞くと思います。
あまり知られていないことをする、これは儲けの鉄則です。
公開されてしまった情報は参入の旬を過ぎています。足で稼ぎましょう。
ビザスクで聞く
直接知り合いではなくても2万円程払えばなんと会社の中の人がどうやって儲けてくれるのかを赤裸々に教えてくれる方法があります。
それがビザスクというサイトでインタビューする方法です。
ビザスクには様々な会社の人が登録していて2万円程払うとインタビューが出来ます。対面は必要なく、電話で十分でしょう。
数字の情報を聞くのは難しいですが、うまく相手が警戒しないよう聞けば、内部情報をガンガン聞けます。
海外メディア
日本と米国では流行するビジネスのタイムラグが1~2年程あると言われています。そこでよく言われるタイムマシン商法をするという考えです。
参照するメディアは米国版Techcrunch.comやクランチベース。
米国で現在旬なビジネスを仕入れる事ができます。
ただタイムマシン商法はあまり実は上手く行かないですしスモールビジネスに適していないので参考程度に。仕入れる場合でも日本にローカライズ出来るか十分に注意しましょう。
SNS
玉石混交になりますが、「〇〇がすごい利益率!」のようにツイートしてしまっている経営者は多いです。投資家も結構投資先の成長度合いを褒めてしまったりするので投資家や成長企業の経営者はフォローすることをおすすめします。
そもそも成功するビジネスモデルは限定されている
上の情報収集方法で調べまくると気付きますが、そもそも成功するビジネスモデルなんてそれほど数がありません。さらに個人が0円で始めることが出来るビジネスなんて「メディア(広告)」「有料コンテンツ販売」「受託(コンサル含む)」「成果報酬制代行業」くらいです。
そのビジネスモデルをどの顧客のどのニーズに当てはめるか、というだけです。
あまりゼロベースで考えるという言葉に惑わされ車輪の再発明をしないようにしましょう。
ビジネスモデルは複合的に展開するもの
ビジネスとは1つのサービスだけを展開するものではありません。
1つ成功したら同じ客に他のものも売る、得られた知見を売る、と展開をして企業は成長していくものです。
こちらの記事には日本最大級の仮想通貨メディアを作り、そこから複数事業を展開しています。
多段階で展開出来るか否かが対象顧客から複数の方法で課金する方法はあるか、事業を通じて得られた知見自体を売れるかです。これによって事業のスケーラビリティは大きく異なります。
「確実に誰でも儲ける方法!」は警戒しろ!
当然なんですが広告を打って儲ける方法を教える、なんて不自然です。
例えば「起業 アイデア」で検索すると「コンビニのフランチャイズをやりましょう!おすすめ!」なんてWEBサイトもあるのですがやめましょう。
フランチャイズとは簡単に儲けたいという気持ちを食って本部がノーリスクで儲ける方法です。起業とはほど遠く、本部が取りたがらないリスクと労働を押し付けられるだけで終わります。
いくら欲しいのかから考えよう
金が100億円欲しいのか、1億円欲しいのかによって取り組む事業は全然違います。私が推奨するスモールビジネスは年収1億円を安定・着実に儲ける方法です。
一応の理由としては年収1億円あればほとんど人は金があまり豊かな生活を出来てそれ以上は流石に大きな買い物をしないと生活感が変わらない水準だと思っているからです。実際には家にこだわらない独身であれば年収2,500万円以降は誤差に思えると思います。
欲しい金額を明確にしないと事業計画も作れません。
世の中で何が起きているのかを知る
こちらの記事で2020年におすすめな起業アイデアを出しました。
・副業解禁に加えて新型コロナウイルス流行による社会不安・希望の発見による副業、スモールビジネスへのニーズ増加
・DXという流行語が生み出した企業のITインフラ全体の刷新大流行
・高速通信・高性能スマホの普及によって作られたyoutubeの流行、成功youtuberの誕生、メディアの主役が動画へ
・BtoCの起業ネタに枯渇したベンチャーが一気に法人向けビジネスに参入、マーケティング・広告戦争の加熱
・youtubeやnoteなどが課金プラットフォーム化、個人のインフルエンサーが稼げるインフラが整備され金持ちマイクロインフルエンサーが大量発生、それに憧れる人も大量発生
その中で上のトレンドに注目しアイデアを作ったと書いたのですが、ビジネスモデルと同時に世の中のトレンドにも注目する必要があります。
世の中で何が起きているのかを知るには具体的な会社の業績やビジネスのみならず俯瞰的な視点が必要です。そこでおすすめの情報収集方法は以下のものです。
・企業の中期経営計画(長期的なトレンド分析が記載されています)
・業界地図
・新聞(日経新聞、Business Insiderなど)
・SNS(主にtwitter)
ビジネスモデルを考えるフレームワーク
世の中のトレンドとビジネスモデルを勉強したら後はもう簡単です!
変化に対しソリューションを当てるだけ!
・世の中の変化から生まれる新たなニーズを考える
例:新型コロナウイルスで引きこもり加速、コロナ太りが増える、所得減少・感染リスクの回避によりジムの解約増加、自宅トレーニングへの需要拡大
・儲かるビジネスモデルを当てる
例:自宅トレーニングインフルエンサーになり動画教材を1,000円で販売
これだけです。大ヒットしたビリーズブートキャンプもビジネスモデルは同じです。
ただし上の例は自宅トレーニングに詳しい、好きということを前提にしています。どこの領域で検討すればよいのか分からない人は以下の記事を参照してください。
同じようなビジネスがあったらどうするか
初心者が必ず言うこと、「同じようなものが既にある」
あるに決まっているじゃないですか笑
ここでの対策はコンセプトを少しずらすか、品質で打ち勝つことです。
あまりに競合がショボいなら品質で打ち負かし、ダイエットのような激戦区で勝負するなら特殊なコンセプトにしたほうがよいでしょう。
軽く自宅トレーニングで痩せる、で既に競合がいるのなら自宅トレーニングでベンチ100kg上げる体にする!などです。
繰り返しですが競合はニーズがある領域には必ずいます。それは問題ではなく検討の出発点くらいに考えましょう。
ユーザーが喜ぶ≠儲かる
「ユーザーが喜ぶことをすれば儲かる」
これは嘘です。
自分が喜んだ量と払った金の関係を考えてみましょう。例えば家賃15万円を払ったときと焼肉で1.5万円払ったとき、どちらが嬉しいですか?10倍ですか?
よくわからないですよね、そりゃそうです。払う金は喜びではなく業界の相場と習慣によって決まっているからです。
他社を調査し、自分が思いついたサービスでどの程度の単価が取れているかから推定するのが単価推定方法としては妥当です。
まとめ:起業のアイデア出しは難しくない!勉強するだけ
起業のアイデアが出ない人は単純にビジネスモデルを知らないのと世の中のトレンドを知らないだけです。
その2つを勉強して「自分の領域」を見つければ必然的に答えが出ます。
それでは年収1億円を目指して勉強していきましょう!
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