スモールビジネスを成功させるために必要なやり抜く力の正体

お金儲け・副業

やり抜く力の重要性に関する世間の認識

ベンチャービジネスや起業を成功させるためには頭のよさだけでなく「やり抜く力」が必要と言われることが多く、私自身も実感することが多い。

数年前には米国発の書物でやり抜く力はGRITとも言われることがあり小さな流行ともなった。GRITとはGuts(度胸),Resilience(復元力), Initiative(自発性),Tenacity(執念)の頭文字である。

なんとも壮大かつ掴みどころのない能力に感じられる「やり抜く力」であるが実務を考えると恐れる程のものでもないと感じる。

実務上必要な「やり抜く力」は何か

やり抜く力とは確かに必要な一方で経営には数十名の組織では抗いがたい時代の流れに自らを合わせる柔軟性も同時に合わせ持つ必要があり、解決が極めて困難な課題に対して挑み続けるということは不必要なヒロイズムを生み失敗の大きな原因でもある。

解決出来ない・明確な戦略がない課題に対して挑み続けるのではなく、解決可能性が高い課題を確実に遂行するという実務上必要な「やり抜く力」が事業を成功させる上では必要と私は考える。

特に安定・着実な成功を推奨するスモールビジネスでは解決困難な課題にはそもそも挑戦をせず、解決出来るであろう課題に対して着実にプロジェクトを進行し他社よりも少し上手く・少し早く解決することを目指すため着実な遂行能力は極めて重要な能力の一つである。

解決可能性が高い課題を確実に遂行する

それではスモールビジネスで必要な「やり抜く力」を分解し実行性を持たせよう。

・解決可能であり解決する価値がある課題を特定する

・手持ちの資源内で最も効率的な解決方法を考案する

・解決方針について関係者の合意を取る

・合意された計画に基づき細かい課題を解決しながら遂行する

・当初合意された計画を実行中に他の効率的な方法が発見された、ないし実現が困難である場合は実行計画を変更し課題解決を目指すないし解決する課題自体を再考する

この中でも特に強調したい能力が「合意された計画に基づき細かい課題を解決しながら遂行する」である。「やり抜く力」の中身はそれほど壮大なものでもなく、誰しもが可能なものなのだ。ただタスクを曖昧にせず、着実に遂行するだけだ。

ただし、素晴らしいことに私の感覚では99.5%以上の人間はこれをしない。これが市場には常に参入機会が存在する大きな理由でもある。やるべきことが着実に遂行されていることは世の中では極めて稀なのだ。

極端なことを言えば計画自体が決定的に駄目ではない限り「合意された計画に基づき細かい課題を解決しながら遂行する」を実行するだけでほとんどのスモールビジネスは成功する。(売上100億円を超えるビッグビジネスについては私は知見がないのでわからないが)

「合意された計画に基づき細かい課題を解決しながら遂行する」にはどうするべきか

さて、見出しの能力が重要であることはおぼろげには理解頂けただろうか。

それでは実行をしていこう。その方法は明確だ。

行動計画をタスクを明確に定義し、責任者と期日を定め実行されているか監視をするだけだ。これだけでよい。

これがなされていない理由の多くは社内都合への配慮にあると感じる。

社内都合に立ち向かおう

顧客のニーズや会社の方針を考えれば当然やるべきであるが、それよりも社内の配慮が優先されてしまいタスクを明確に区切ることが避けられる場合が多い。

顧客のニーズ・市場は会社の方針を定める王様であるべきなのだが、いつの間にか「これをしたらあの人により負荷がかかるかな」「私の立場でわざわざ言ってやる必要はない」「言ったら自分も大変になるのではないか」という社内・内部の都合が勝ってしまう現象が組織が大きくなると必ず発生する。この社内都合に立ち向かうことが最も困難であり「やり抜く」を阻害する要因である。

(1人や10人以下の組織で「やり抜く」が実行されていないならば原因は別にあるので他の記事で言及しよう)

「やり抜く」を推進する組織づくりをする

会社の全体最適を考えれば「やり抜く」は合理的だが社員の立場から見ると個別最適とならないねじれが発生してしまう状況自体が組織構築に課題があると言える。

100名以下のベンチャーの場合であれば会社全体最適と個別最適が同期している経営陣(株式を保有しているため)が「やり抜く」の管理人であればよいのだが株式を保有し強いコミットメントと能力を持った経営陣がいないとなるとそうはいかない。

強い経営陣のリーダーシップがない300名の会社では顧客のニーズよりも社内都合が勝って意思決定がなされる、放置される機会が年間何度発生しているだろうか。

会社衰退の原因は様々であるが顧客のニーズより社内都合が勝るは特に日本企業においては突出した1位ではないだろうかと感じる程恐ろしい。この症状を改善するには全体最適と個別最適のねじれを解消するための圧力が不可欠だ。

ねじれ解消に向けた組織づくりとは

私自身はこれに対する方針は部分的な回答を持っているが今回の記事では問題提起に留めようと思う。スモールビジネスに取り組みたい、スモールビジネスに取り組んでいる方々から意見があれば是非DMを送って頂きたい。

*リプライは気づかない場合が多い

結論:当然やるべきことを当然のように実行し確実に勝て!

スモールビジネスは不確実性には挑まない。当然のように勝つことを目指す。

その根幹をなすのが「合意された計画に基づき細かい課題を解決しながら遂行する」である。これさえ出来ればほとんどの戦いに勝利することが出来る。

スモールビジネスを志す勤め人の方も既にスモールビジネスに取り組んでいる人も「合意された計画に基づき細かい課題を解決しながら遂行する」が出来ているか?を日々自分に問うて欲しい。

補足:解決が極めて困難な課題はスモールビジネスでは放置する

解決が極めて困難な課題に立ち向かうビッグビジネスがある。スペースXなどはその最たるものだろうか。これは素晴らしい。ただ武田の現在持っている能力ではハンドル不能であり、挑んでも巻き込んだ投資家や社員を不幸に巻き込む確率が格段に高い。このような課題は安定・着実な成功を目指すスモールビジネスの考えでは基本的に放置し他人に委ねる。

解決方針は明確であるが自社の「やり抜く力」により他社よりも早く・上手く・確実に解決することで事業機会を獲得するのがスモールビジネスの基本的な考えだ。

スモールビジネスに取り組んでいると解決方針は不確実かつ不明確だが大きな課題に挑む周囲がきらびやかに見えるかもしれない。ただ「崖から落下しながら飛行機を組み立てる」というビッグビジネスの考えは根本的にスモールビジネスとは符合しない。確信を持って他人事だと考え、スモールビジネスに取り組もう。

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